認知症高齢者の現状
〇一般病院7対1及び10対1においては、「認知症あり」の患者は2割程度、療養病棟に
おいては、6割以上入院している。
〇入院患者における「認知症高齢者の日常生活自立度」Ⅱ以上の割合は、一般病棟
7対1及び10対1病棟でも2割程度である。
認知症高齢者患者さん、年々増えているなと感じます。
認知症患者さんの気持ちの理解大切ですね。
認知症の私からあなたへ 20のメッセージ
1.認知症になりたくてなる人はいない
2.「二重の偏見」が私たちの力を奪う
3.できなくなったことを嘆くのではなく、できることに目を向ける
4.認知症になっても、新しく覚えられることがある
5.記憶が消えても、記録は残る
6.認知症にともなう困りごとは、知恵と工夫で乗りきれる
7.いまの苦難は永遠に続くのではないと信じる
8.自分が自分であることは、何によっても失われない
9.人は何ができなくとも、価値のある尊い存在である
10.認知症になると、不便だけれど、不幸ではない
11.認知症にちょっとした手助けがあれば、いろいろなことが楽しめる
12.「できること」ではく、「したいこと」をすればいい
13.一人ひとりの「認知症」がある
14.私には私の意思がある
15.「してもらう」「してあげる」より、「一緒にしたい」
16.他人から何かをしてもらおうとするのではなく、他人に何ができるのかを考える
17.私たちは単なる介護の対象ではなく、私たちが形成する社会の一員である
18.勇気をもって、自分が感じていること、思っていることを伝える
19.当事者が声をあげれば、世の中は変わる
20.認知症になっても暮らしやすい社会をともにつくろう
*出典:佐藤雅彦:認知症の私からあなたへ、20のメッセージ、大月書店、2016
認知症高齢者の本質をとらえる視点
・長年築いてきた価値観や信念、生活習慣などは、認知症になっても変わらない
・認知症高齢者の変わらぬ本質に着眼し、もてる力を引き出すことで、彼らが達成感
や誇り、人とのかかわり合いの中で生まれる喜びや存在価値を感じて主体的な生活
を営むことができるようケアをめざす
・認知症の病態が、その人の行動や生活の営みに及ぼす影響についてもアセスメント
しながら、認知症高齢者の変わらぬ本質をとらえてケアへとつなげる視点が必要
認知症を理解する看護の視点
・生活障害としての認知症の病態を理解する
・自己存在がどのように脅かされていくのかを理解する
・時空間の見当識の障害による影響を理解する
・危険性と環境から受ける影響について理解する
認知症高齢者の看護とは
認知症高齢者の生命、生活の質、尊厳を尊重し、認知症の発症から終末期に至る病状管理ならびに療養生活環境を提供する看護実践である