過去に投稿した災害看護の自己学習を見直してみました。
<災害看護の定義>
災害に関する看護独自の知識や技術を体系的に、かつ柔軟に命や健康生活への被害を極力少なくするための活動を展開することである。
(日本災害看護学会)
<災害看護の役割>
1.災害により外傷を負った被災者や、慢性疾患が増悪した被災者などの救命と疾病の治癒促進への援助を行う。
2.健康障害によって生じた被災者の苦痛を軽減する。
3.被災者や避難生活によりこころが傷ついた被災者に対するこころのケアを行う。
4.排泄、食事、睡眠、清潔、プライバシー、被災者同士の交流、家族や知人との連絡など生活環境を整備することにより、被災者の健康を保持できるように導く
5.被災者の中でも要援護者に優先度をおき、他職種と協働し、生活に視点をおいた援助活動を行う。
6.被災者がもとの生活に向けて、自立的に復興していこうとする力を支援する。
7.平時の自助・共助としての防災力を備えるように、人々を支援する。
<災害サイクル別の災害看護活動>
●急性期(発生直後~72時間)
1.現場応急救護所における3T
2.医療機関における救命救急活動
・入院患者の安全確保
・外来患者の安全確保
・被災傷病者の受け入れ
3.避難生活上の緊急支援
●亜急性期(72時間~2.3週間)
1.医療機関における看護
・病院の復旧への取り組み
・集中治療を受ける重症患者への援助
2.避難生活を続ける被災者への看護
・環境の整備
・組織的なこころのケアの体制づくり
●慢性期(~数か月)・復興期(~数年)
1.被災者に対する組織的なこころのケア
活動の継続性
2.被災者の健康生活の立て直し支援活動
3.地域社会の立て直し支援活動
●静穏期(災害が起きてない時期)
1.看護教育機関や医療機関などにおける人材育成のための災害看護教育や救護訓練
2.各組織の救援資機材や設備などの整備点検
3.災害発生時の緊急対応ネットワークの構築と確認
4.住民に対する防災、減災教育
今回の「令和6年能登半島地震」では、現在は亜急性期にあたります。
避難生活をしている方には、支援物資も届き始め環境の整備を行っていく時期。
そして、避難所で感染症や持病の悪化、避難生活特有の病気の発症も耳にします。
お身体には気を付けながら、みんなで助け合っていきたいですね。