認知症の人の家族支援

今年も認知症の研修に行ってきました。コロナの関係で少人数でした。

 

家族の認知症需要のステップ

ステップ1 ショック期→戸惑い、否定

 「まさか」と現実を受け入れがたく、打ち明けるのをためらう

ステップ2 反応期→混乱、怒り、拒絶

 どうしていいか分からず、混乱し、精神的にも疲労困憊、絶望感に陥りやすいもっと

 も辛い時期

ステップ3 修復期→あきらめ、割り切り

 イライラしても仕方ないと割り切るようになるが、状態が増悪すうと再び反応期へ逆

 もどりする。十分な支援体制が必要。

ステップ4 受容期→受容

 認知症の理解が深まり、あるがままを受け入れるようになる

 

認知症の人の家族の特徴と支援

<家族状況の把握>

・家族の捉え方(家族=介護者とは限らないということ)

・独居、同居の有無

 (同居はしていないが決定権を持つ家族、同居していても介護はしていない など)

・家族の健康状態、病気に対する理解力

・経済状況

・家族の思い、家族が受けている影響

・家族の対応能力

◎介護は家族がするものという抱え込みや、なぜ自分だけがこのような思いをするのか、という孤独感など

 

<家族から情報を得るにあたっての配慮>

・家族の心情を聞く機会をつくる

 入院に至るまでの間、家族なりに対応し疲弊していることもある。また、認知症発症

 前の家族関係もある。

  ↓

 入院中は、家族に積極的に話を聴き、不安を軽減する

・時には家族各々に対応する

 同じ家族であっても、立場や同居の有無によっては患者に関する情報の違いや思いが

 ある

◎傾聴とエンパワーメントを行いながら、介護環境を整える

 

<家族との関係づくりのポイント>

・あいさつ、自己紹介

 温かい配慮ある挨拶をして、家族との交流のきっかけを作る

・気にかけていることを示す

 家族をねぎらい、看護師が家族を気にかけていることを伝える

・家族のニーズを確認する

 患者と家族、それぞれに心配に思っていることはないか尋ねる

・家族の思いを受け止める

 評価や助言は控え、まずは患者や家族が十分語れるようにする

・家族の力を高める支援

 日常生活援助など患者ケアを取り入れる、家族の強みに働きかける

 

退院調整にあたり活用する地域・社会資源

家族の介護状況の把握

認知症が疑われるが、本人が受診を拒否する、もしくは受診を中断してる、サービス

 利用を中断してる場合

  ↓

 認知症初期集中支援チームの紹介(概ね、地域包括支援センター内に設置)

認知症の診断、治療およびサービス開始後

  ↓

 通所、宿泊サービス、医療機関の具体的・効果的な活用

 家族の休養を含めた支援、話のできる場の確保

 家族会、介護家族教室、認知症カフェなど地域の社会資源、相談窓口の紹介