30代から看護師へ せん妄予防(不眠と睡眠薬)

不眠の治療

●非薬物療法

・生活環境の整備

・睡眠衛生の指導

・不眠原因の対策 …など

睡眠薬の使用

 →せん妄、転倒の原因

 

慢性不眠症患者に共通した誤った睡眠習慣

①早寝(眠れそうもない時間に眠ろうとする)

・覚醒度が高い時間帯(睡眠禁止ゾーン)で服薬・就寝している。

②長寝(ベッドにしがみつく)

・横になっているだけでも休まるはウソ

・眠れずに悶々とする時間が長いほど不眠は悪化

・眠ろうとする『あがき』がさらなる不眠を招く

③昼寝(長すぎる午睡)

・寝室以外ではむしろ寝やすい

・午睡が睡眠ニーズを減らす

 

高齢入院患者と睡眠薬

高齢者の睡眠薬の悪影響は入院治療の場面で顕在化する。

 *特にせん妄が高頻度

 

ベンゾジアゼピン系の睡眠薬

 ↓

・飲み始めると…せん妄誘発、転倒リスク

・中断すると…退薬兆候(離脱症状

  飲んでも/止めても悪影響が出やすい

 

安全性が期待される新型睡眠薬

ロゼレム(ラメルテオン)〇

・体内時計を調節し、睡眠と覚醒のリズムを整える(メラトニン受容体)

・せん妄予防効果あり

・効果は弱いが副作用が少ない、効果発現に時間がかかる(1週間~1カ月)

  →屯用には向かない

 

ベルソムラ(スポレキサント)◎

オレキシン受容体(覚醒の調整)の拮抗薬、即効性あり(自然な眠り)

・注意事項

 ①下記の薬は併用禁忌 効きすぎる

 イトリゾール(抗真菌)、ブイフェンド(抗真菌)、クラリスロマイシン(抗菌)

 ほか一部の抗HIV薬、抗C型肝炎の治療薬

 ②規格に注意

 成人:20㎎

 高齢者(65歳以上):15㎎

 

*その他

ネスタ【従来型の最新版】△

・非ベンゾジアゼピン系(アモバン鏡像異性体

・超短時間型、筋弛緩作用少ない

・従来型では最も安全

 

睡眠薬の適切な使用により、せん妄は予防できる!

Dr.の不眠時指示は数種類入ってますが、ベルソムラ選んで使用してます(*^^*)