30代から看護師へ 認知症薬

急性期病院でも、高齢・認知症患者さん増えてます。

 

薬を使うその前に…

周辺症状が生じる原因がないか、もう一度考える

・患者さんは何か心配事を抱えていないか?

・不快に感じていることはないか?

・精神症状を起こす薬剤が使われていないか?

 *薬まみれにして症状を抑え込む前に、薬を整理することも必要

精神症状→薬!ではなく、非薬物療法的な介入を考えることが大切!

 

上記を理解した上で薬を使用する。

 

<1.抗認知症薬>

アルツハイマー認知症の治療薬

アセチルコリンエステラーゼ阻害薬

アリセプト(ドネペジル)

・効能:軽度~重症

・用法:1日1回

・他剤併用:メマリーとの併用可

・主な副作用:悪心・嘔吐・興奮

・特記:最初の認知症治療薬

・長所:1日1回の服用でよく、薬の自己管理が難しい人でも服用しやすい

    レビー小体型認知症の治療にも有効

・短所:抑制のきかない行動をとるなどの症状が出ている人には、攻撃性や不眠が

    表れやすい 

    服用中断すると症状が悪化することがある

 

レニミール(ガラクタミン)

・効能:軽度~中等度

・用法:1日2回

・他剤併用:メマリーとの併用可

・主な副作用:食欲低下・頭痛・吐き気・嘔吐

・特記:アリセプトより強い作用

・長所:不安や焦り、抑制のきかない行動を軽減する

    服用中断しても症状が悪化しない

・短所:1日2回の服用が必要で、介護負担が大きい

 

リバスタッチ(リバスチグミン)

・効能:軽度~中等度

・用法:1日1回貼付

・他剤併用:メマリーとの併用可

・主な副作用:かぶれ・かゆみ・食欲不振・嘔吐

・特記:貼付薬で扱いやすい

・長所:アリセプトより強い効果が期待できる

    貼付薬であるため、嚥下困難な人、飲みたがらない人にも抵抗が少ない

・短所:かぶれやかゆみ、色素沈着などの皮膚症状が出ることがある

    悪心・嘔吐・食欲不振・下痢・体重減少などの消化器症状のほか、衰弱・

    めまい・疲労などの副作用が表れることがある

 

●NMDA受容体拮抗薬

メマリー(メマンチン)

・効能:中等度~重度

・用法:1日1回

・他剤併用:他剤との併用可

・主な副作用:浮動性めまい・便秘・傾眠

・長所:興奮や刺激に対する強い反応、攻撃性など、周辺症状にも有効

    薬の作用が違うため、他剤と併用ができる

・短所:眠気が出やすいため、車の運転や危険な作業をする人は服用できない

     →夕食後に内服がオススメ

 

<2.抑肝散>

・効能:虚弱な体質で神経がたかぶるものの次の諸症状:神経症不眠症、夜泣き

    せん妄・認知症のイライラ・不眠・易怒性・興奮・幻覚・妄想などの症状を

         緩和

・使用上の注意:カリウム血症(甘草による)

        漢方薬が苦手な人は、水で溶かしたものをリンゴジュースで割ると

        飲みやすい

 

<3.抗精神病薬

リスパダールセロクエルセレネースなど

・投与のポイント

 大興奮をし始めてから薬を使っても効果は得られにくい。投薬時の拒否も強くなり、

 危険が伴う。

 不穏が予測される場合は、早めに投与。

 毎日同じくらいの時間に不穏になる場合は、定期投与を。

・注意:心臓病患者への投与

    錐体外路症状

    嚥下障害

    高血糖

 

<4.気分安定薬

もともとはてんかん双極性障害の薬

バルプロ酸デパケン/セレニカ)

カルバマゼピン(テグレドール) など

 

<5.抗うつ薬

気分の落ち込みに対して、対症療法に用いることもある

認知症患者に用いる時は、抗コリン作用の少ない抗うつ薬

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