急性期病院でも、高齢・認知症患者さん増えてます。
薬を使うその前に…
周辺症状が生じる原因がないか、もう一度考える
・患者さんは何か心配事を抱えていないか?
・不快に感じていることはないか?
・精神症状を起こす薬剤が使われていないか?
*薬まみれにして症状を抑え込む前に、薬を整理することも必要
精神症状→薬!ではなく、非薬物療法的な介入を考えることが大切!
上記を理解した上で薬を使用する。
<1.抗認知症薬>
アリセプト(ドネペジル)
・効能:軽度~重症
・用法:1日1回
・他剤併用:メマリーとの併用可
・主な副作用:悪心・嘔吐・興奮
・特記:最初の認知症治療薬
・長所:1日1回の服用でよく、薬の自己管理が難しい人でも服用しやすい
レビー小体型認知症の治療にも有効
・短所:抑制のきかない行動をとるなどの症状が出ている人には、攻撃性や不眠が
表れやすい
服用中断すると症状が悪化することがある
レニミール(ガラクタミン)
・効能:軽度~中等度
・用法:1日2回
・他剤併用:メマリーとの併用可
・主な副作用:食欲低下・頭痛・吐き気・嘔吐
・特記:アリセプトより強い作用
・長所:不安や焦り、抑制のきかない行動を軽減する
服用中断しても症状が悪化しない
・短所:1日2回の服用が必要で、介護負担が大きい
リバスタッチ(リバスチグミン)
・効能:軽度~中等度
・用法:1日1回貼付
・他剤併用:メマリーとの併用可
・主な副作用:かぶれ・かゆみ・食欲不振・嘔吐
・特記:貼付薬で扱いやすい
・長所:アリセプトより強い効果が期待できる
貼付薬であるため、嚥下困難な人、飲みたがらない人にも抵抗が少ない
・短所:かぶれやかゆみ、色素沈着などの皮膚症状が出ることがある
悪心・嘔吐・食欲不振・下痢・体重減少などの消化器症状のほか、衰弱・
めまい・疲労などの副作用が表れることがある
●NMDA受容体拮抗薬
メマリー(メマンチン)
・効能:中等度~重度
・用法:1日1回
・他剤併用:他剤との併用可
・主な副作用:浮動性めまい・便秘・傾眠
・長所:興奮や刺激に対する強い反応、攻撃性など、周辺症状にも有効
薬の作用が違うため、他剤と併用ができる
・短所:眠気が出やすいため、車の運転や危険な作業をする人は服用できない
→夕食後に内服がオススメ
<2.抑肝散>
・効能:虚弱な体質で神経がたかぶるものの次の諸症状:神経症、不眠症、夜泣き
せん妄・認知症のイライラ・不眠・易怒性・興奮・幻覚・妄想などの症状を
緩和
・使用上の注意:低カリウム血症(甘草による)
漢方薬が苦手な人は、水で溶かしたものをリンゴジュースで割ると
飲みやすい
<3.抗精神病薬>
・投与のポイント
大興奮をし始めてから薬を使っても効果は得られにくい。投薬時の拒否も強くなり、
危険が伴う。
不穏が予測される場合は、早めに投与。
毎日同じくらいの時間に不穏になる場合は、定期投与を。
・注意:心臓病患者への投与
嚥下障害
<4.気分安定薬>
カルバマゼピン(テグレドール) など
<5.抗うつ薬>
気分の落ち込みに対して、対症療法に用いることもある