過去に行った災害研修を見直してみた。
<被災者特性に応じた災害看護>
1.小児
トラウマ(心的外傷)
・乳児:不機嫌、夜泣き、ミルクを飲む量が減る
・幼児:不眠、食欲不振、夜泣き、赤ちゃん返り(おもらし、指しゃぶりなど)
・小学校低学年児童:パニック、赤ちゃん返り
・小学校高学年児童:反発、反抗、内閉的、いい子を装う
・思春期の子供:危険な行動、外出できない、以前にできた行動ができない
災害サイクルに応じた子供への看護
●急性期~亜急性期
①生存と安全確保 ②状況の把握 ③健康管理 ④衛生教育
⑤特殊なケアを要する子供への対応 ⑥再現遊びに対する対応
⑦ASD(急性ストレス障害)、PTSD(心的外傷後ストレス障害)
●慢性期
医療従事者・教育関係者・地域保健関係者・福祉関係者との連携
●静穏期
学校では防災教育、家庭では話し合い
2.母性
●身体的な影響
衛生保持、栄養摂取、休息、運動、流早産、妊娠高血圧症候群、血栓症
子宮復古を含めた全身回復の遅延、母乳分泌量の減少
●精神的な影響
ストレス
災害時における妊産婦への支援
①衛生確保(衛生保持・出産時の感染予防)
②環境の調整(湿度・におい・スペースの確保)
③健康管理(出産の不安・体調変化・母子健康手帳への記入事項の指導・高齢の妊産婦の健康管理)
④血栓症の予防
⑤授乳への支援(母乳育児・人工栄養)
3.高齢者
●災害直後の看護
①安全の確保 ②応急救護
●避難所などでの看護
①情報入手 ②移動 ③環境の変化 ④慢性疾患
4.障害者
●急性期~亜急性期の看護
①避難の支援 ②避難所での支援
●慢性期・復興期の看護
できるだけもとの状態に近づくよう配慮
●静穏期の看護
個人情報保護への配慮は必須
地域社会における障害者の実態把握が重要
「災害時要援助者避難支援ガイドライン」
5.精神障害者
すでに精神障害に罹患している人は被災することによって状態が悪化する危険性がある
①安全な避難誘導
②急性増悪
③症状のアセスメントと治療への導入:専門チームとの連携
④服薬継続:こころのケアチーム、保健所、精神保健センター
⑤避難所環境の整備:ほかの避難者とのトラブル
⑥アルコール問題
6.慢性疾患患者
慢性疾患患者は、継続した治療や管理によって健康状態が維持されている
↓被災
生命に関わる外傷などがなければ、一次トリアージは緑。二次トリアージで考慮される
発災後3日間は自分で生き抜くこと!
避難所生活:「自分を病気と知られたら困る」
「健常者と思われる」
などの思いあり。
ストレス・治療中断→生命の危機的な状態
●高血圧症:降圧薬の継続とストレス軽減
●糖尿病:避難所での食事療法や低血糖時の対処方法
脱水予防、感染予防、深部静脈血栓症予防
●慢性腎不全:治療食、血液透析、腹膜透析
透析医療機関同士のネットワーク
コメディカルのフォロー
●慢性呼吸不全(在宅酸素療法):エネルギーの消耗を最小限に抑える
酸素供給路や代替手段の確保
コメディカルのフォロー
災害サイクルに応じた慢性疾患患者への看護
①準備期
医療機関同士のネットワークの確立
保健、福祉施設、公的機関との連携
災害時の備えや対処方法を患者に指導
②急性期~亜急性期
緊急対応の必要性トリアージ
健康管理
患者および家族の精神的ケア
急変時の対応
③慢性期~復興期
ヘルスプロモーション活動
↓
自分で生き抜く事ができるように看護することが大切!