12/8 池上彰さんの番組でもトリアージ取り上げてましたね。
トリアージとは
災害時発生現場等において、多数の傷病者が同時に発生した場合、傷病者の緊急度や重症度に応じて適切な処置や搬送を行うために傷病者の治療優先順位を決定することをいう。
概念
限られた人的・物的資源を最大限に活用して、最大多数の傷病者に最善の医療を提供しなければならない。
トリアージはどこで行うの?
・傷病者集積場所
・トリアージエリア(現場救護所、病院)
・現場救護所内
・病院の初診療室内 など
トリアージはいつ?誰が?
・トリアージの訓練を受けた人
・実施期間、職種、実施場所、方法は多様
・担当者(チーム)を決めるのが一般的=トリアージオフィサー
トリアージオフィサーの心得
①トリアージは一人で行う
②トリアージの判断基準を一定にする
③トリアージ結果を分かりやすく示す
④トリアージオフィサー以外の者がトリアージの判断に異論を挟んではいけない
⑤トリアージオフィサーは交代してはいけない
⑥トリアージを行う場所
⑦常に全体を把握しておく
⑧日ごろから経験を積み重ね、訓練を行う
トリアージの際の留意点
①アンダートリアージ
実際の優先度や緊急度より低く判定
→重症・緊急性の高い傷病者を見落とす
②オーバートリアージ
重症度・緊急度の低い人を高く評価
オーバートリアージは容認される
→ただし、オーバーの程度が大きくなると医療の需要と供給のバランスが崩れる
トリアージの意味がない=救える命が救えない
トリアージ区分
赤 Ⅰ 緊急治療群
黄 Ⅱ 非緊急治療群
緑 Ⅲ 軽処置群もしくは治療不要
黒 0 死亡もしくは救命困難群
赤区分Ⅰ:緊急治療群
生理学的評価に異常があるもの
救命処置を必要とするもの
黄区分Ⅱ:非緊急治療群
治療の遅延が生命危機に直接つながらないもの
歩行不能
緑区分Ⅲ:軽処置群もしくは治療不要
歩行可能
必ずしも専門医の治療を必要としないもの
一般t的に災害時に最大数となりうる
黒区分O:死亡もしくは救命困難群
死亡している者
または心肺蘇生を施しても蘇生の可能性の低いもの
*死亡診断とは必ずしも同義ではない。
トリアージの方法
・一次トリアージ(ふるい分け):START法
簡便な生理学的な評価 30秒
・二次トリアージ(集積と精度向上):PAT法
生理学的および解剖学的評価 2分
*トリアージには迅速性が求められる
トリアージタッグの取り扱いと記載方法
トリアージタッグの情報=災害現場のカルテになりうる
記載内容が以降のすべての過程の左右を決める
1.トリアージを迅速に行うために、判定者と記録者の2名1組が原則
2.トリアージ区分のチェックとその根拠は必須
3.トリアージの反復による変更・追記がある
4.情報を整理し、実施場所での必要事項のみ簡潔に記載
記載のポイントと注意事項
・事前に記載できるところは予め記載
例:機関の通しNo.、実施日、実施場所、実施機関、実施者
・個人情報は必要最小限でよい
・裏面には診断の根拠となる所見を簡潔に記載
・不明項目は空欄とする
・明らかに誤った記載は二重線で訂正する
・追記が必要な場合は追記とともに、追記した時間と記載者名を記載する
・加筆修正用に空きを残す
・黒い油性ボールペンを使用する
トリアージタッグの装着
原則として①右手首
この部位に負傷・切断等があれば、②左手首 ③右足首 ④首 の順
私服や靴などに取り付けてはいけない。