新型コロナウイルスの影響で新人さんの集合研修も多くが中止になってます。
各病棟でOJT指導です。
口腔内・鼻腔内吸引担当のため、復習( ..)φ
【手順】
1.自力での喀痰喀出が困難であるかを確認し、吸引の必要性を判断する。
*吸引は患者に侵襲・苦痛を与え得る行為であり、必要性を吟味した上で実施する。
2.口腔内・鼻腔内吸引の目的を説明し同意を得る
*患者の不安を取り除き、より強力が得られるようにする。
3.患者を適切な体位に整え、患者の近くにガーグルベースンを用意しておく。
*咽頭反射の刺激を減らし、患者の安楽と分泌物の排出を促進し、誤嚥を防ぐ。
4.吸引器を準備する。吸引用アウトレットへ吸引管を接続し、スイッチを入れ、吸引できるか確認する。
*吸引管を指で押さえ、圧力計のメーターが作動しているか、作動音の異常がないか
も併せて確認する。
5.手指衛生を行い、ビニールエプロンとマスク、使い捨て手袋、ゴーグルまたはフェイスシールドを装着する。
*CDCの提言に従い、血液および体液への偶発的な曝露を防ぐ必要がある。
6.消毒用アルコール綿と水を準備する。
7.吸引カテーテルを清潔操作で取り出し、吸引管と接続する。
8.必要時、少量の水をすって、吸引圧を確認する。
*機器の機能を確認すると同時に、吸引カテーテルと吸引管の内側を潤滑させる。
9.吸引圧は適切な圧にする。
*過度の陰圧は患者に苦痛を与える。また鼻咽頭の粘膜が損傷する可能性があり、
重度の低酸素血漿を誘発する。
*鼻腔の場合:13~20kpa(100~150mmHg)
10.指示があれば、100%酸素の投与を行う。または患者に深呼吸を促す。
*高酸素化は、吸引による低酸素化を防ぐ。高酸素化は、患者に深呼吸を促すとき
または1回換気量の増加など高度膨張があるときに最も効果的である。
11.酸素投与に使用していたマスクなどを外す。
12.吸引カテーテルを接続部の根元を押さえるように折り、吸引圧をかけずに、丁寧に素早く患者の口腔内または鼻腔内に挿入する。
*吸引圧をかけたままカテーテルを挿入すると、粘膜の損傷、カテーテル挿入困難
気道内にある空気を吸引することによる低酸素血症の危険が増す。
13.口腔内、鼻腔内それぞれの特徴に注意しながら、さらに挿入する。
*鼻腔の場合:鼻腔内のカーブに合わせ、痰がある位置まで挿入する。
挿入の長さが15~20㎝を目安とする。
*カテーテルを期間に挿入する場合、喉頭蓋が開いているため、必ず吸気の間に挿
入する。嚥下しているときに挿入すると食道に入る危険がある。
*カテーテルが通りにくい場合、患者に咳嗽するか、「あー」と発声してもらい、
吸気時にカテーテルを進める。
*カテーテルが喉頭に達すると、咳を誘発するが慌てず静かに挿入する。
14.間歇的に吸引を10~15秒以内で行い、カテーテルを指でこすり合わせながら吸引する。
*間歇的吸引とカテーテルの回転によって、粘膜の損傷を防ぐ。カテーテルが粘膜
に張り付く場合は、吸引圧を弱める。15秒以上の吸引は、通常、低酸素血症または
迷走神経負荷により心肺機能を不安定化させる原因となる。
*単孔式カテーテルの場合は側孔がなく、先端孔のみに吸引圧がかかるため、回転
させる必要はない。
15.終了後、酸素マスクなどを元の位置に戻す。
16.吸引後は、吸引カテーテルの外側を消毒用アルコール綿でふく。
*微生物の伝播を予防
17.水を少量吸引し、吸引カテーテルを洗浄する。
*分泌物を除去することで微生物の伝播を減少させ、吸引圧の低下を防ぐ。
18.必要に応じて、1~2分待った後で吸引を繰り返す。吸引が終了したら患者に深呼吸促す
*反復して吸引すると気道分泌物のみならず酸素も同時に排出し喉頭痙攣を誘発
する。次回吸引まで少なくとも、1分間は間をおき、患者の呼吸状態を観察するよ
うにし、一連の手順として行う吸引は2回までとする。
19.吸引器を停止させ、吸引管とカテーテルの接続を外す。
*利き手は、吸引管の先端に近い部分と接触しているため、分泌物で汚染されてい
る可能性がある。そのため、吸引器に触れる手は利き手と逆の手を用いて、微生物
の伝播を予防する。
20.カテーテルを廃棄する場合は、まとめて握り、カテーテルを包み込むように手袋は外し、手袋ごと廃棄する。その後で、エプロンを外す。
21.手指衛生を行い、患者の全身状態、呼吸状態、バイタルサインを観察する。
22.患者の体位を整え、ガーグルベースンを物と位置に戻す。
23.処置の内容と結果をカルテに記録する。
【必要物品】
・吸引カテーテル(10Fr.または12Fr.) ・吸引器、吸引ボトル、吸引チューブ
・使い捨て手袋 ・ビニールエプロン ・マスク
・ゴーグルまたはフェイスシールド ・吸引用の水 ・水を入れる容器
・消毒アルコール綿 ・ガーグルベースン ・聴診器