新卒指導 自己評価と他者評価

新人さん、6月に入ると看護技術経験リストの第1回提出が控えてます。

それまでに、何回か看護技術経験リストの項目の自立の有無を確認・評価をしていなければなりません。

 

評価 ①自己評価 ②他者評価 ③相互評価

 

新人さんの評価を考えた場合、他者評価が充実している新人の時期に自己評価できる力をつけていくことが大切!

そうすることで、他者評価を受ける機会が少なくなったとき、「自分の状況がわからない」と悩み嘆くのを防ぐ。また専門職として自己教育力を高めていくためにも、先輩の評価に右往左往し、一喜一憂する新人ではなく、自尊心を高めながら自分で自分のことを評価できるちからをもった新人に育つ。

 

自己評価
メリット
・自己効力感や自己有能感を生み出し、自己学習の力を伸ばす
・目標に照らし合わせて自分の到達度や課題を自分自身で考えるので、自分の問題とし

 て考えらえ、納得もしやすい
デメリット
・過大評価や過小評価が起きる

 

自己評価のこうした特徴をを生かすために現場で“他者評価を取り入れて、適切な時期に突き合わせをする”ことが必要。指導者がこれを理解していることも大切。

 

自己評価と他者評価がずれる理由

教える側と学ぶ側の捉え方が違うことで、評価結果にずれが生じる

お互いが同じように目標や項目を捉えているか、行動レベルではどこまで達成したら「できた」ことになるのかを、評価する前にすり合わせておくことが大切

 

他者評価を効果的にするフィードバッグの原則

①フィードバッグは特定の状況・現象について正確に行うこと

 例えば「この部分の知識・判断・技術がまだ十分ではないようだ」と事実をもとにして伝える

②技術などを実施する際の行為への評価については、言葉でフィードバッグするとともに、視覚的にフィードバッグすること

③行為の直後にフィードバッグすること

④よいところもフィードバッグしてその行為を強化すること

⑤対話をもとにしたフィードバッグを行うこと

 他者評価をした側からみると自己評価が「高すぎる」「低すぎる」ことになりがちだが、「どうしてこのような自己評価にしたのか」という評価の根拠を尋ね、その後に他者評価の根拠を伝える。

 「できてないね」「できているね」だけでなく、どうしてそう考えたのか、という双方の根拠を建設的に話し合うことが、次の目標に向かていく手立てとなる。そして、対話によってお互いの評価が歩み寄り、ずれが少しずつ解きほぐされていく。