30代から看護師へ 急性膵炎

年末年始飲む機会増えますね

最近は飲む前に、ヘパリーゼGXにお世話になってます。

成分:肝臓水解物、ウルソデオキシコール、オウギ乾燥エキス、ニコチン酸アミド、

   ビタミンB2

効いているのか?効いていないのか?気休めかもしれませんけどね。

 

飲む機会が増えると、急性膵炎の患者さん増えますね。

<急性膵炎>

病態

アルコール、胆石などにより引き起こされる膵の急性炎症。活性化された膵酵素膵臓と周囲臓器を自己消化することで起こる。重症化すると膵壊死組織に感染を合併することや、サイトカインや好中球による全身性炎症反応、多臓器障害を引き起こす。重症急性膵炎は良性疾患でありながら、予後不良な疾患である。

 

誘因・原因

アルコール性が37%、胆石性24%、原因が特定できない特発性が23%と報告されている

 *その他に、ERCP後等もある

男女比は2.2:1と男性に多い。

年間3~4万人が発症している。

 

症状

・強い前屈位(背中を丸める)で痛みが軽減することが多い。背部痛がよくみられ、

 持続性の上腹部痛で発症する。

・炎症が腸間膜にも波及すると腸管麻痺、腹部膨満、鼓腸がみられる。

・重症化すると、発熱・呼吸困難・頻脈・血圧低下・乏尿・胸水/腹水の貯留がみられ

 る。

 

検査・診断

・血中、尿中における膵酵素(膵アミラーゼ、リパーゼなど)の上昇

・腹部のCT、超音波、MRIX線

 

分類

・急性膵炎診断基準

・急性膵炎の重症度判定基準(予後因子)

  スコア2点以下は軽症、3点以上を重症

  *造影CT グレード≧2であれば、スコアに関わらず重症となる。

・造影CTによるCTグレード分類

  グレード≧2は重症

point:膵アミラーゼが高いから大変!と思うけど、急性膵炎の重症度には、膵アミラーゼは含まれないのですね。

 

内科的治療

〇膵外分泌の抑制

 絶飲食、制酸薬投与(PPI

〇疼痛の抑制

 非ステロイド性抗炎症薬やペンタジン、レペタンなどなどの非麻薬性鎮痛薬の投与

 *鎮痛薬徐々にて上げて効果なけば、レペタンなどの持続注入

  Ns:鎮痛薬使用すること多くなるので、同一薬剤は何時間あけて何回まで使用可、

    他剤であれば何時間あけて使用可か確認しておくとよいですね。

〇循環動態の安定

 細胞外液を中心に、十分量の輸液投与

 健常成人では1日量として1500~2000ml(30~40ml/Kg)とされているが、急性膵炎

 では、その2~4倍(60~160ml/Kg)必要

 *重症例では、血管透過性亢進や膠質浸透圧の低下により細胞外液が膵周囲や後腹膜

  腔、腹腔・胸腔内まで漏出し大量の循環結晶が失われる。

  ↓

 IN/OUTの把握

 Ns:重症度に応じて、膀胱留置カテーテル挿入の有無(通常or微量計)を確認。

   尿量指示も確認

〇タンパク分解酵素阻害薬

 ガベキサートメシル酸塩(FOY)、ナファモスタットメシル酸塩(フサン)

 ウリナスタチン(ミラクリット)

 *軽症:経静脈的  

  重症:腹腔動脈などにより直接→アンギオ室で処置して集中管理

〇感染予防

 膵組織への移行性がよく、抗菌スペクトルが広い抗菌薬を投与

 *カルバペネム系などがよく用いられる

〇胆石性の場合ERCP

 

合併症への対処

・感染性膵壊死の合併があれば(膵壊死部除去術)

・多臓器不全の治療

 腎不全:持続的血液濾過透析(CHDF

 呼吸不全:人工呼吸器

 循環不全:昇圧薬

 

予後

・急性膵炎の10~30%は重症例

・軽症例は2週間以内にほとんど軽快し、死亡率は1%以下

・重症例では退院するまでに数カ月を要し、予後因子・CTグレード共に重症と判定され

 た場合は、死亡率は30%を超える

 

急性膵炎は命を落としかねない疾患、膵臓の働きが悪くなれば血糖コントロールにも影響が出ますし、甘くみてはダメですね。