災害看護③ 救護所の設営1

災害研修を振り返ってみた。

 

救護班の派遣目的

●一刻も早い処置が必要な被災者に対して、被災現場において医療および助産を行うとともに、死体の処理(一時保存を除く)を行うこと。

●被災により機能を失った地元一体の医療機関に代わり、医療の空白を埋めること。

●避難所等への巡回診療を行うことにより、避難者の精神的支えとなること。

 

医療救護活動

居地災害の場合

 ①現場救護所

 ②現場指揮本部

 ③傷病者集積場所

 ④救助・救出現場

広域災害の場合

 ⑤病院支援

 ⑥救護所(避難所など)診療

 ⑦巡回診療

 ⑧広域医療搬送

①現場救護所

・消防が設置

・目的「最大多数の傷病者を安全に病院に到着させること

・根治的医療ではなく、最大限傷病者を安全に病院に搬送するためのバイタルサイン

 の安定化治療→DMATの出動

トリアージ実施

・外傷初期標準診療

 

②現場指揮本部

警戒区域内に消防が設置

・消防、救急隊との連携、他の医療チームとの調整など

 現場指揮本部の指揮・統制のもとで活動

・配置場所の条件

 ●安全が確保されている場所

 ●救急車の動線が確保できる救急車待合の近傍

 ●平坦な広いスペースが確保できる場所

 ●可能な限り救助現場に近い場所

 

③傷病者集積場所

救護、救出現場(消防活動区域・危険区域)から救護所までの距離が長く、迅速な担架搬送が困難

・複数設置

・活動内容

 一次トリアージ実施(主に救急隊員、救急救命士が実施)

 救護所までの担架搬送の優先順位の確定

 

④救助・救出現場(消防活動区域・危険区域)

多数傷病者や広域災害の場合、

  「最大多数に最良の結果

という災害医療の原則に則り、現場救護所での活動が優先されるため、救助現場への派遣はこれらが充足してからになる。

 ・安全考慮が必要

 

⑤病院支援

最も重症が多く搬出されてくる場所

・病院災害対策本部の指揮下で活動

災害拠点病院での支援活動

・活動の優先順位

 ●「指揮・情報支援」としての災害拠点病院の拠点化および病院間での情報共有

 ●被災地外への搬送体制の確立

 

⑥救護所(避難所)診療

・避難所、体育館、広場などに設置

・長期にわたる救護活動の拠点→設置場所が重要

・役割

 急性期:病院への診療負担軽減

 中長期的:地域医療が回復するまでの医院、クリニック的な役割

 

⑦巡回診療

・救護所の開設前に行い、地域の医療ニーズを把握し、救護所の開設場所を決定する

・被災者が各所の避難所に分散し、救護所に行けない傷病者がとどまっている場合、

 治療が必要な被災者をトリアージできる

・こころのケアや健康相談を実施し、一次予防を主な目的とする

感染症蔓延の初候を発見する

・孤独感を除き、焦燥感をやわらげる

 

⑧広域医療搬送

・国による広域医療搬送計画

 被災地都道府県の救命対応能力が著しく低下している

  ↓

 被災地都道府県が要請

  ↓

 政府の緊急災害対策本部において広域医療搬送の実施が決定