新型コロナウイルス感染症 ペットと暮らす方へ

新型コロナウイルス感染症情報 ペットと暮らす方へ

(アニコムより 3/12時点)

 

新型コロナウイルスは犬猫にも感染する?

可能性のある事例は出ているものの、現時点で今回の新型コロナウイルスに犬や猫が感染するとは断言できません。また、人への感染源になるといった証拠もなく、もし犬猫が感染することがあったとしても、発症するかについても正確に分かっていません。

WHOによると「現時点でペットへの感染についてはっきりとした証拠はないものの、ペットと触れ合ったあとには、石鹸を使って手洗いをすることは良いアイデアです」と発表しています。

手指衛生を心がけることで、コロナウイルスだけでなく、さまざまな細菌からも守ってくれます。

 

●香港で「犬に弱陽性反応が出た」と報道があったけど?

2020年2月28日、香港で「犬から新型コロナウイルスの弱陽性反応が出た」との報道がありました。東京都獣医師会危機管理室感染症セクションによると、「たまたま犬の鼻と口の粘膜に付着していたウイルスを検出したものの可能性が高く、犬の体内でウイルスが増殖したことを示すものではない」としています。

2020年3月4日、香港政府は「新型コロナウイルスの感染者が飼育する犬が、本ウイルスに感染したことを確認した」と発表しました。飼い主から感染した可能性がある、との報道がされています。症状が出ているものではなく、詳しいことは明らかにされていません。

仮に「犬への感染」が事実であったとしても、以下の点には留意しておく必要があります。

1.感染例は1例だけであり、すべての犬に感染するかは不明

2.犬から他の動物に感染する可能性は、現時点で不明

3.検査結果は陽性だが、十分な研究であるとは言えない。

日本において、動物に対して新型コロナウイルスの検査を行う体制は整っているとは言えません。動物病院でも、この検査を行うことはできません。幸い、犬に症状を起こす可能性は現地点では少ないとされています。症状がない状態では動物病院で治療できることもありませんので、仮にコロナウイルス感染の可能性があっても、確認することや治療することも困難な状況と考えられます。

今回、飼い主から犬への感染が確認されました。香港と同じく、日本の家庭犬は、コウモリなどの野生動物せ接触する機会がほぼ存在しません。この事例と同様に、飼い主からの感染が注意すべき経路と考えられます。まずは、人の感染予防を徹底することが重要です。

 

●ペットが新型コロナウイルスに感染した人と接触したら、ペットが感染源になってしまう?

犬に感染したという報道はありますが、現時点でペットが新型コロナウイルス感染症を伝播させる証拠は出ていません。また、ペットだけでなく畜産動物が今回の新型コロナウイルスの感染源と考えられるような証拠もありません。

 

●自分が新型コロナウイルスにかかった場合、ペットの世話はどうすべき?

万が一、ご自身が新型コロナウイルス感染症にかかってしまった場合、人に対する接触を制限するのと同様に、ペットは家の中で隔離することが望まれます。ペットや他の動物との接触も極力控えてください。どうしてもペットの世話をする、あるいは近くにいる必要がある場合には、ペットを触る前後に手洗いをして、マスクをするしかありません。もちろん、撫でる、くっつく、キスをする、顔などを舐めさせる、同じ食べ物をシェアするといった接触も避けてください。

感染の可能性がある動物を隔離入院させられる動物病院も少ないと考えられます。飼い主が軽症の場合には、ご自身での世話を行ってください。

もし、飼い主が入院しないといけない場合には、ペットの世話は家族の別の人に任せる、あるいは信頼できる預け先にお願いするといった対応がよいでしょう。その際には、ご自身が感染したことを相手先にも申告し、十分注意して世話をしてもらう必要がます。保健所にも申告する必要があるかもしれません。

なお、感染した方が生活していた場所にペットを残し、知人やペットシッターに世話を依頼するといった方法は、感染症対策の観点から望ましくありません。

 

●感染者とペットに濃厚接触歴がある。自分のペットは新型コロナウイルス感染症にかかってない?

もし、新型コロナウイルスの感染者とペットの間で濃厚接触したことがある場合には、すぐさま動物病院に連れていくのではなく、まずは電話で保健所に相談してください。

しかし、前述したように、現状は以下の通りと考えられます。

・症状がなければ、動物病院でできる治療はほとんどない。

・動物病院で検査をすることはほとんど不可能

・感染可能性のある動物を隔離入院させられる病院はかなり少ない

基本的には、自宅での隔離が第一選択となりますが、この点も含んて保健所および動物病院に相談して判断してください。

 

●この騒動前から、犬にも「コロナウイルス感染症」がある?人にもうつる?

犬にも「コロナウイルス感染症」が存在する。名前がややこしいですが、今回の「新型コロナウイルス」とは異なるもので、ほとんど別のウイルスと考えても構いません。犬に感染する従来のコロナウイルスが、人を含めた他の動物種に感染したという報告はありません。

なお、犬の場合は「犬コロナウイルス感染症(CCV)」といって、軽い下痢症状を起こします。これは、肺炎を主な症状とする今回の新型コロナウイルス感染症とは、原因となるウイルスも感染する動物種も全く異なる病気ですので、混同しないように気を付けましょう。

 

新型コロナウイルス対策のために、犬コロナワクチン接種をすべき?

コロナウイルス感染症にはワクチンがあります。6種混合ワクチンなどに含まれている。ですが、これはあくまでも従来の犬コロナウイルスに対し免疫をつける目的としているので、今回の「新型コロナウイルス感染症」を予防するものではありません。

 

 

☆香港で新型コロナウイルス感染症陽性反応が出たと報道があった犬が、3月16日17歳で永眠しましたね…。虹の橋で会えることを祈っています。